たった8文字の言葉に、すごく惹かれました。
「世界の紙を巡る旅」
2年とすこし前、SNSのタイムラインに流れてきたこの言葉を見て、こんな旅だったらしてみたいなって思ったことを覚えています。
その記事を書かれた方は、3ヶ月後に日本を出発して、1年かけて世界の紙の産地を見てまわる予定だと書かれていました。
「この人が旅に出る前にいちど会っておかないと」
迷惑な話ですが、そんな感じで焦ったように連絡をとって、話をさせていただく機会をもらいました。
会ってみるとすごく落ち着いていて、あとやっぱり芯のある方だと思いました。若いのにすごいなぁと自分が情けなく感じるほどにでした。
彼女の視点で巡る紙の旅はぜったい面白そうだ。他人の旅に勝手にワクワクしていました。
旅に出発されてからは見つけた紙ものや感じたことをウェブで公開していたり、旅先の紙ものを送ってくれるサービスもしていたので、日本にいながら世界の紙を巡る旅のおすそ分けをたくさんいただきました。
自分自身はいつも通りの日常なのに、紙という同じものに興味を持っている人が、それをテーマに世界を旅している。そのことに思いを馳せるだけで、日常がいつも少し色づいているような感覚がありました。
みじかい一文、長い文章。場面を切り取った写真。彼女の発信する文字や写真たちには、いつも心惹かれるものがあります。
自分の目指したい場所、だけどまだまだ輪郭がぼやけていて、どこに向かえばよいのかわからなかったこと。そんなことがはっきりとした形で文章として綴られていて、ぱっと光が見えたような気持ちになったことが何度もあります。
目指したい場所へ向かうための、新しい視点やアイデアの種をたくさんいただきました。
そんなkami/(かみひとえ)さんの「世界の紙を巡る旅」が本になります。
つい先日お会いする機会があり、発売前の本を見せていただきました。
触れて、ページをめくりたくなる本。
手漉き紙に模様が手刷りされた表紙に、中のページまでたくさんの種類の紙が使われていて、手にするだけでなんだか嬉しくなる本でした。
彼女の視点で書かれた紙についての本は、手仕事や文化、地域などの事柄についても書かれていて、自分たちがこれから何をしていけば良いか?たくさんのヒントをもらえそう。
そういえば彼女とやりとりをすると、名刺や封筒、何かに添えられたメッセージカードなど、場面場面で手渡してもらう紙ものも素敵で、一つ一つの出来事が特別なものになります。
紙の持つ力はすごいなって思い知らされます。
素晴らしい魅力を持った紙と、それが生まれる産地や関わる人たち。その文化を残していきたい。そんな思いから活動されているkami/さん。
今、紙業界では大注目の一人になっていると思います。
この本も出版社や印刷屋さん、関わるみんながかなり気合を入れて制作されたようです。
彼女が広げていく紙の世界、楽しそうだと思いませんか?
「世界の紙を巡る旅」2月20日に発売です。
先行予約、ご購入はkami/オンラインショップにて
https://kamihitoe.official.ec